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45.高齢の親が聞き取れない本当の原因…家でも車でも起きていた「音の重なり」

※この記事にはPRが含まれます

前の記事で、
父が一人旅の帰りに
鍵をなくしていたことを書きました。

朝から一人で電車に乗って県外まで出かけ、
一人旅はたいてい一泊してくるので、
その日も駅の近くで一泊し、翌日帰ってきました。

帰宅して
玄関で鍵を開けようとしたら、
鍵がない。

「みどりの窓口で忘れたかも…」

父が自分でそう言いだしたので、
私が窓口の電話番号を調べて、
父が電話をかけることになりました。

かけた場所は、
駅の構内ってわけではなさそうですが
ガヤガヤしていたそうです。

電話の向こうの職員さんの声を、
父はうまく聞き取れませんでした。

「もしもし……え?」
「ちょっと、代わって」

そう言って携帯を差し出され、
結局、私が代わりに事情を説明しました。

電話を切ったあと、
父は「うるさくて聞こえんかった」と
一言だけ言っていました。

結果的に、
鍵はみどりの窓口に届いていて、
着払いで家まで送ってもらえることになりました。

見つかったからよかったものの、
「もし見つからなかったら、
スペアを作らないとね」と、
父と母が話していたくらいです。

そのとき私は、

「まあ、駅は音が多いし、
しょうがないか」

そう思って、
それ以上深く考えませんでした。

駅だから。 電話の声が遠いから。 仕方ない場面だった。

そう自分を納得させていたんです。

でも、
それが違うと分かったのは、
もっと日常的な場面でした。

目次

母とテレビを見ながらの会話も、「え?」ばかりだった

家の中でも似たようなことはあります。

リビングで、
母と父と三人でドラマを見ているとき。

ドラマの展開について、
母が父に話しかけます。

「ねえ、今の人が犯人だったんだって」

「え?」

もう一度言うと、
「ああ、そういうこと」と返ってくる。

不思議だったのは、
話しかけられていること自体は分かっているんです。

母の方を見て、
「ん?」という顔はする。

でも、
内容が届いていない。

呼びかけには反応するのに、
会話の中身だけが抜け落ちている。

父はおもしろがってふざけることもある性格なので、
これ、最初は
「わざとかな」と
思っていました。

でも、何度も繰り返されるうちに、
そうじゃないと分かってきました。

車の中も、同じだった

以前の記事で書いた、
運転席のわたしと助手席の母に向かって、
「悪口言ってもどうせ聞こえないからいいぞ」
という車内での父の軽口。

あのときは
冗談として受け取っていました。

でも、
これも実は本当に聞こえにくい状況だったんです。

運転席の私と、助手席の母は、
前を向いたまま話しています。

後部座席の父からは、
私たちの顔が見えません。

声だけが、
走行音に混ざりながら
後ろに届きます。

声の方向が見えない。 走行音と声が重なる。

家のテレビの場面と、
状況としてはよく似ています。

なぜ「音」は聞こえているのに、「言葉」が分からないのか|加齢性難聴の原因

ここが一番大事なポイントです。

父は、
「話しかけられている」ことには
毎回気づいています。

でも、
「何を言われたか」だけが
うまく届いていない。

これは、
年齢による聞こえ方の変化でよく見られる特徴だそうです。

・高い音域(サ行・タ行などの子音)が、特に聞き取りにくくなる

・音がいくつか重なったとき、声だけを選び取る力が落ちる

・声がする方向や距離がずれると、余計に聞き取りにくくなる

テレビの音と母の声。

走行音と、後ろから届く声。

駅のアナウンスと、電話越しの声。

全部、「音が一つじゃない状況」でした。

静かな部屋で、
正面から、
ゆっくり話しかけたときは、
父はちゃんと聞き取れています。

だから本人も、
「聞こえないわけじゃない」と思っている。

でも実際には、
音が重なる場面になると、
とたんに聞き取れなくなっていたんです。

高齢者が聞き取れない原因は「場所」じゃなく「音が重なる状況」だった

前の記事を書いていたとき、
私は「外出先だと聞こえにくいのかな」
くらいに考えていました。

でも、
振り返ってみると全然違いました。

家の中でも、
車の中でも、
駅でも。

共通していたのは場所ではなく、

声以外の音が同時に鳴っている状況かどうか

だったんです。

テレビをつけながらの会話。

走行音の中での会話。

雑踏の中での電話。

これが分かってから、
父への話しかけ方を、
できれば変えた方がいいのかもしれない、
と思うようになりました。

テレビの内容だったら一旦
「ねぇ、お父さん」
と声をかけてから話す。

頭ではわかっていても、
正直、
まできちんんと実践できていません。

それでも、
「なぜつたわりにくいのか」が分かっただけで、
父への見方は少し変わった気がしています。

よくある質問

Q. 高齢者が雑音の中で聞き取れなくなる原因は何ですか?
加齢によって、音がいくつも重なった状況から声だけを選び取る力(雑音下での聞き取り能力)が落ちることが主な原因の一つと言われています。静かな場所での会話は問題なくても、テレビの音や走行音、雑踏の中では聞き取りにくさが目立ちやすくなります。

Q. 加齢性難聴の原因は、音量の問題ではないのですか?
音量だけの問題ではないケースが多いです。高い音域(サ行・タ行などの子音)が聞き取りにくくなることや、複数の音が重なったときに声を選び取りにくくなることが関係していると言われています。音量を上げても解決しない場合は、この「聞き分けの問題」が原因の可能性があります。

Q. 話しかける方向や距離を変えるだけでも効果はありますか?
効果を感じる方は多いです。正面から、顔が見える位置で話しかけると聞き取りやすくなるケースが多いと言われています。ただし、根本的な解決にはならないため、環境そのものを整える方法と組み合わせるのがおすすめです。

Q. これは病院に相談すべきレベルですか?
テレビや会話など特定の場面だけで聞き取りにくさを感じる程度であれば、まずは生活の中でできる対策から試す方も多いです。日常生活全体で支障が大きい場合は、耳鼻科での相談を検討してください。

次にできること

原因が「場所」ではなく「音が重なる状況」だと分かると、
対策の方向性も見えてきます。

家の中も、車の中も、外出先も。

音が重なる場面ごとに、
今実際に使われている方法を
次の記事でまとめました。

▶ 次の記事を読む|家でも車でも外出先でも。高齢の親の「聞こえにくさ」への対策、こんな方法があります

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この記事を書いた人

50代娘「かおりこ」です。元気な80代の実親と義理親を見守りながら、
日々の暮らしや小さな備えのアイデアを記録しています。
親が元気なうちにできることを一緒に見つけていきましょう。

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